講義「保育内容(表現)」

 講義「保育内容(表現)」の中で ワールドカフェの方法を取り入れながら「人が美しいと感じるものやこと(それぞれの発達段階も意識して)」について話し合いました。楽しく、人の話に耳を傾け、活発に話しあっていました。

 講義のあとのわずか10分のふりかえりでしたが、学生のみなさんは自分の価値観を更新する時間になったと思います。

 子どもの一人一人の表現のよさに共感できるためにも教師自身が、豊かな感性を持っていることが非常に重要です。

 今日の講義は、学生のみなさんがこれから出会うであろうが子供たちのために自分の感性を磨く出発点としてほしいという願って構成しました。

 

 

 

学生のみなさんの「ふりかえり」から

 

Aさん

「美しいもの、ことにについて最初美しいってなんだろうと思ったけれど。美しいいもの、ことは人それぞれあって美しいものはこれ!という答えは=(イコール)になるものは無限にあるのだと思いました。(中略)自分には「美しい」という言葉は縁のない言葉だと思ったけれど、美しいは誰にでもあり、その人その人の美しさが必ずどこかにあるのだと今回の講義で学びました。」

 

 Bさん

「World cafe」はとても楽しかったです。幼児期はきらきたしたもおにキレイと感じる人が多いと思いました。赤ちゃんもきらきらしたものに反応するので、それにつながっている気がしました。中高生から現在にかけては、景色、スポーツのフォーム、音、人など、幅広うい分野に興味を持っていく感じでした。ひとそれぞれ美しいと思うものは違いますが、共有することで、共感したり、納得しあえる時間になりました。美しいものを美しいと思えることは、とても素敵なことだと思うので。その気持をこれからも大事にしたいです。」

 

Cさん

「ひとそれぞれの価値観が本当に十人十色で、一つ一つの話がすべて面白く楽しく聞けて「これもあったか!」という新しい発見もありつつ、昔は純粋だった見方が、今は考える見方になってきていて,人は成長しているんだなと思った。同時に、もう一回幼児期に戻って、今まで見てきた風景や生活を見直してみたいと思った。そうすることにより また新しい発見があるうんのではないかと思うとわくわくする。今回の講義を通して、毎日毎日見る風景や生活を違う見方でもう一度見てみようと思う。」

 

Dさん

「一人一人、美しいと思うもの、事が違って面白かった。私はどちらかとえば、(人工的に)整っているものがきれいだと思う派だけど、自然が形成したものをきれいと思う人も多かった。「人が美しいと思うことは否定せずに聞く」と先生がおっしゃたけど、みんなが美しいと思うことは、私も「確かに美しいなあ」と思うものばかりで、ものは違えど美しいと思う感情は共通だと思った。表面だけ見ると違うところも、詳しく聞くと抱く感情や思いには同じことがあるとわかったので、今後の交友関係や学びに生かしていきた。」

 

 

 本当は全員のものを掲載したいくらいですが、代表的なものとさせていただきました。最後にこのようなふりかえりをシェアすべきだたったと反省しています。

 (なおこの講義で使っているWorld cafeの一部の要素を取り入れたものです。)

 

(山崎正明)

この講義は 「幼稚園教育要領の解説」(フレーベル館 P161に書かれているものに対応しています。

 

 長いですがが、大切なので引用します。

 

 5 感性と表現に関する領域「表現」

 

  (2) 生活の中で美しいものや心を動かす出来事に触れ,イメージを豊かにする。

 

幼児が出会う美しいものや心を動かす出来事には,完成された特別な ものだけではなく,生活の中で出会う様々なものがある。例えば,園庭 の草花や動いている虫を見る,飼っている動物の生命の誕生や終わりに 遭遇することなどである。それらとの出会いから,喜び,驚き,悲しみ, 怒り,恐れなどといった情動が生じ,心が揺さぶられ,何かを感じ取り, 幼児なりのイメージをもつことになる。

幼児は,日常の生活の中でこのような自然や社会の様々な事象や出来 事と出会い,それらの多様な体験を幼児のもっている様々な表現方法で 表そうとする。このような体験を通して,幼児は,具体的なイメージを 心の中に蓄積していく。幼児が生き生きとこれらのイメージを広げたり, 深めたりして,心の中に豊かに蓄積していくには,教師が幼児の感じて いる心の動きを受け止め,共感することが大切である。

そのためには,柔軟な姿勢で一人一人の幼児と接し,教師自身も豊か な感性をもっていることが重要である。その際,教師のもつイメージを 一方的に押し付けたりするのではなく,幼児のイメージの豊かさに関心 をもってかかわりそれを引き出していくようにすることが大切である。

 

幼児の心の中への豊かなイメージの蓄積は,それらが組み合わされて, やがてはいろいろなものを思い浮かべる想像力となり,新しいものをつ くり出す力へとつながっていくのである。